第4話 譜表
(1) | 五線と加線 |
(2) | ottava記号 |
(3) | 音部と譜表 |
五線は、音の相対的な高低を示すものとして15C頃から使われ、
加線は17C頃から使われました。
五線が平均律の記譜法として普及したのは18C頃からです。
*
all'ottava
(伊)
加線が多すぎると読みづらくなるため、それを解決するためと、
記譜の際の手間を省く目的で、ottava記号を用いる事があります。
記譜された音より
1oct高く奏する事を
all'ottava alta
(伊)といい、
反対に1oct低く奏する事を、
all'ottava bassa
(伊)といいます。
altaは、「高い」を表す意味で、
他に、
ottaba sopra
(伊)などがあります。
低い方ではbassaの他に、
ottaba sotto
(伊)などがあります。
ちなみにsottoは、「低い」を表す意味です。
*
coll'ottava
(伊)
記譜された音と、
1oct高い音を同時に奏する事を
coll'ottava alta
(伊)といいます。
反対に1oct低い音を同時に奏する事を、
coll'ottava bassa
(伊)といいます。
*
loco
(伊)(「所、場所」の意)
上の二つの記号で指示されたものを
記譜された通りに戻して演奏することを指します。
これは注意を喚起する為に使うもので、
まぎらわしく誤読される恐れがある場合のみに使用します。
五線の音を、絶対的な高さとして示す為に使われる記号を音部記号 (
clef
英 仏)といい、
音部記号が五線に記入されたものを譜表 (
staff
英 )といいます。
音部記号は、楽曲の途中で変更される事がしばしばあります。
小節の途中での変更は、変更される部分から少し小さめに自由に書き込まれますが、
小節の変わり目や段の変わり目の変更は、変更される前の小節の最後に予告されます。
*大譜表 (
great staff
英 )
Violin譜表とBass譜表などを下図のような括弧で囲ったものを、大譜表といいます。
これは、昔の11線譜と呼ばれるものを改良したものです。
広範囲にわたる音域を持ったHarpなどの楽器は { でくくり、
合唱や、前記以外の楽器などは 【 でくくられます。
これらを上手く組み合わせて、スコアなどを組んでいきます。
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